看護職の教育内容でWGが経過報告―厚労省(医療介護CBニュース)

 厚生労働省の「看護教育の内容と方法に関する検討会」(座長=小山眞理子・神奈川県立保健福祉大保健福祉学部看護学科教授)は3月5日、第4回会合を開き、昨年秋に設置されたワーキンググループ(WG)から検討状況について経過報告を受けた。

 昨年秋に保健師、助産師、看護師の職種ごとに設置されたWGでは、同検討会の委員や専門家が、免許取得前に学ぶべき教育内容などを検討している。

 この日はまず、小山座長が看護師教育WGで検討している「看護師に求められる実践能力及び基礎教育修了時の到達目標(案)」を説明。
 同案では看護実践能力として、▽ヒューマンケアの基本的な能力▽根拠に基づき、看護を計画的に実践する能力▽健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復にかかわる実践能力▽ケア環境とチーム体制を理解し活用する能力▽実践の中で研鑽する基本能力-の5群を挙げ、それぞれの構成要素や到達目標を示している。
 これについて草間朋子委員(大分県立看護科学大学長)は、「人の体の基本的なことを知る能力の強化」を「ヒューマンケアの基本的な能力」の中に加えるよう提案。
 また、羽生田俊委員(日本医師会常任理事)は、「患者を全人的に診る」ことを同案に追記するよう求めた。さらに岡本玲子委員(全国保健師教育機関協議会副会長)は、「看護師の専門性として、治療過程の人や終末期の人の援助などの内容が入らないのはおかしい」などと指摘した。

 続いて保健師教育WGを代表して、中山洋子委員(福島県立医科大看護学部長)がこれまでに検討してきた「保健師に求められる役割と機能」に関する2つの案(1案、2案)などを示した。2案は、一般的な表現を用いた1案と比べ、「ポピュレーション・ハイリスク(アプローチ)」など保健師に特徴的な用語が盛り込まれており、中山委員は案を1つにまとめるため、求められる保健師の役割について委員に意見を求めた。
 これに対し阿真京子委員(「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会代表)は、「わたしたち(一般市民)に丁寧に簡単に教えていただければ、医療をより身近に感じられると思う」と述べた。また、太田秀樹委員(おやま城北クリニック院長)は、医療や介護に関する個別の相談が増えているとして、「組織的に動くということよりも、むしろ対人援助で個人的に動くような保健師の役割が求められているのではないか」などと指摘した。
 2つの案に対しては、太田委員と草間委員が2案をベースに検討を進めるべきとした一方で、より分かりやすいものにするよう求める声も上がった。

 また、助産師教育については菱沼典子委員(聖路加看護大看護学部長)が、WGで検討してきた「今後より強化されるべきとされた助産師の役割と機能」などについて説明。強化すべき事項として、正常妊婦の健診のほか、医師がいない場での会陰切開・縫合や新生児蘇生などを挙げている。

 次回会合は5月17日に開かれ、臨地実習について議論する予定だ。


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